料理

我が家の超簡単で超手抜きで超美味いピェンロー

ピェンローは、妹尾河童の著書により日本に広まった鍋のことです。基本的な材料は、乾燥椎茸の戻し汁をベースに、豚肉、鶏肉、白菜、春雨などを煮込んで鍋にします。妹尾河童によると、味付けは塩、ごま油、一味唐辛子などが推奨されています。詳しくはwikiも参考にしてみてください。

・扁炉 – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%81%E7%82%89

いやーこれが美味いんです。友達からこの鍋の存在を教えて貰ってからというもの、ピェンローは我が家の冬の定番料理になりました。冬の寒い時期は、週に1~2回のペースで食べます。人生で春雨の消費量がここまであがるのは初めてです。そんなピェンローを作り続ける内、アレンジが進んで我が家独自のピェンローとなっていきました。その過程をご紹介します。

乾燥椎茸を戻すのがめんどくさい

ピェンローはそもそも簡単な鍋なんですが、私はネットワークエンジニアとして当然のように毎日遅い時間に帰宅をしておりました。そんな時、乾燥椎茸を戻すのがすごい時間掛かるんですよね。もうですね、帰ってきたら速攻作りたいんですよ。前の晩から水につけておけばいいって? そんな前の日からピェンローが食べたいとか計画的に料理するのなんて面倒じゃないですか! 「よーし今晩はピェンローだー! 乾燥椎茸戻しておくぞー」と意気込んで仕込んだ乾燥椎茸を忘れて、一週間そのままになるとかすごいよくあることじゃないですか。そんな訳で、ピェンローに乾燥椎茸の戻し汁を入れるのはデフォルトだとは思うのですが、乾燥椎茸は我が家のピェンローから姿を消しました。

しかし、乾燥椎茸の戻し汁が無いと旨味成分が少なくなると思ったので、代わりに鶏ガラスープの素とかほんだしとかを入れて代用することにしました。

豚肉と鶏肉どっちもいれるのがめんどくさい

基本のピェンローは豚バラ肉と鶏もも肉をどちらもいれるんですが、なんというかピェンローの為に毎回どちらも入れるのが面倒だとおもったんです。どっちかだけでも十分美味しいのではないか? と考えて、なんとなくピェンローは豚バラ肉の方が存在感があるような気がしたので、鶏もも肉にはご退場願いました。鶏もも肉採用したら、それなんかただの水炊きなのではないかという意識もあったと思います。

土鍋で作るのがめんどくさい

最初の頃はいつも土鍋とカセットコンロを出してきちんと鍋料理として食べてたんですが、これも洗い物とか準備が面倒になってきて、ついに普通の鍋、寸胴で一気に作るやり方が定着しました。材料切って、全部寸胴に突っ込んで、一気に煮る。そして完成したら丼によそって食べる。完全に鍋じゃなくてただの豚バラ肉と白菜と春雨のスープ、みたいになりました。別に味は変わらないし、土鍋で作るよりかなり簡単に作れるようになったので、今でもこのやり方は変わっていません。

数年続いたのがこの作り方

色々とめんどくさいを続けて、数年続いていたのがニコニコ動画にアップしたピェンロー動画です。この動画では一応ちゃんと土鍋を使っていますが、これは動画の見栄え的に土鍋を使っただけです。

動画の通りで、作り方はこんな感じになります。

①豚バラ肉を適当に切る
②白菜を適当に切る
③鍋に、切った豚バラ肉・白菜・水を入れ、煮込む
④塩・鶏ガラスープの素・和風だしの素を入れる
⑤春雨を入れて2~3分煮込んで完成

ここまで行けばもう削るところは無いだろうなと思っていたんですが、色々料理の事を考えているうちに「出汁の素は入れなくても十分美味しいんじゃないだろうか?」と思うようになりました。

そして我が家のピェンローが完成した

私には出汁への絶対的な信仰心がありました。美味しい料理は、すべからく出汁がしっかり効いているものだ、出汁はいくら濃くしても大丈夫、そんなイメージがあったんです。スープでも、炒め物でも。なんでにでも出汁の素を入れるのが私の料理スタイルでした。その為、出汁の素を入れなくても十分美味しい料理になるのではないか? という疑念も持ちつつも、出汁の素を入れない、という行動がなかなか取れませんでした。しかし、ある日勇気を持って、出汁の素を入れないようにしたんです。入れる調味料は塩のみ。恐る恐る味見をしてみると、これが美味しい! すっきりと透明感のある美味しさです。出汁で旨味を濃くすればなんでも美味しいという訳ではない、ということをやっと実感出来ました。

という訳で現在のピェンローのレシピ、作り方はこんな感じなりました。

我が家の超簡単で超手抜きで超美味いピェンローレシピ

①豚バラ肉を適当に切る
②白菜を適当に切る
③寸胴に、切った豚バラ肉・白菜・水を入れ、煮込む
④塩を入れる
⑤春雨を入れて2~3分煮込んで完成

※丼に盛ってお食べください!

ポイントは、寸胴に豚バラ肉と白菜を入れた後に入れる水の量です。ひたひたよりちょっと少な目に入れるのがいいです。水分が多いと、味が薄くなってしまうので。豚バラ肉と白菜の分量のイメージは、豚バラ肉300g程度に対して白菜1/4カット、という感じです。ただ売ってる白菜は大きさがまちまちなので、実際に試してみるのがいいと思います。塩は、小さじ1.5くらい入れてるかな。塩っ気が足りない時は、食べる時に足してます。

この作り方に辿りついて気が付いたのですが、「これってピェンローじゃなくてちょっと前に流行った豚バラ肉と白菜のミルフィーユ鍋を雑に作って春雨入れた料理ではないか!?」と。そう、これはミルフィーユ鍋を雑に作ったものなんです。ミルフィーユ鍋って、見た目キレイですけど、あれは味に一切関係ないですからね。それは断言しておきます。見た目のキレイさに感動して毎回苦労して豚バラ肉と白菜を重ねてた皆様は、めんどくさくなってもう作らなくなった人もいっぱいいると思います。あれはもっと雑に作っても絶対美味しいので、また作ってみてください。

もう4月で徐々に暖かい日が多くなってきて春の到来を感じる今日この頃ですが、夜はまだまだ寒いのでこの超簡単で超手抜きで超美味いピェンロー、是非作ってみてください。

おまけ:ピェンローにオススメな春雨

ピェンローには春雨が欠かせない食材ですが、市販で売ってる春雨はどうにも長くて食べづらいんですよね。水で戻してから切って鍋に入れるとかしてる人もいるかもしれませんが、そんなのはやはりめんどくさいです。私が愛用している春雨は、Amazonで買えるこの春雨です。

この春雨、長さがホントちょうどいいんです。鍋の中にそのまま入れても美味しいので、オススメです。我が家では、冬の季節になるとこの春雨を4袋くらい消費します。

麻婆豆腐の迷宮に迷い込んだ

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十数年前、一人暮らしを始めた時から数えると、もう何百回と麻婆豆腐を作ってきました。最初に自分で手作りした麻婆豆腐のあの美味しさ、あれは感動しましたね。こんなに簡単で、こんなに安くて、こんなに美味いのかと。麻婆豆腐を覚えたての頃は、週に二~三回は食べてたと思います。ご飯も毎回二合くらい炊いて、麻婆豆腐と一緒に完食してました。紹興酒入れたり、花山椒を掛けたり、トウチを入れたりすることで味がどんどん本格的になっていって、美味しかったし、作るのが楽しかったです。それくらい麻婆豆腐が大好きでした。

しかし、麻婆豆腐を覚えてから数年後、人に自分の料理を振る舞う機会が増えてきてから、徐々に、美味しく作れなくなってきたんです。あれだけ美味しく作れていた麻婆豆腐が、何故か美味しく作れない。あれから私は、麻婆豆腐の迷宮に、迷い込んだのでした。

私の麻婆豆腐の作り方

私の麻婆豆腐は、NHK今日の料理で陳建一が作っていた作り方が基本となっています。作り方の流れやポイントの説明の仕方、全て陳建一がテレビで言ってたものです。作り方をまとめると、こんな感じになります。

■材料
豚挽肉
ニンニク(みじんぎり)
ネギ(みじんぎり)
豆腐(サイの目切り)
トウチ

■調味料
甜麺醤
豆板醤
醤油
コショウ
鶏ガラスープの素
紹興酒
水溶き片栗粉
花山椒

■手順
1. ニンニク・ネギをみじん切りにする
2. 豆腐はサイの目にして下茹でする
3. 豚挽肉を炒める
4. ニンニクを入れて炒める
5. 調味料を入れて炒める(甜麺醤・豆板醤・トウチ)
6. 水を入れる
7. 調味料を入れる(醤油・紹興酒・鶏ガラスープの素・コショウ)
8. 豆腐を入れる
9. 煮る
10. 水溶き片栗粉を入れてとろみつける
11. ネギ入れる
12. 完成
※お好みで花山椒を振りかけてお食べください

これを動画にしてニコニコにアップしたのがこの動画でした。

今でも基本的な作り方はこの動画の通りなのですが、何故か、美味しい時と美味しくない時があるんです。美味しく出来た時は、濃厚な口当たりなんだけど、舌に残らず口の中から味がすっきりと気持ちよく消えていく、あの美味しさになります。しかし美味しくない時は、すっきり感がなく、なにかもさっとした味になります。色々考えながら作っても、どうしても味が安定しません。何が原因なのか、数年に及ぶ試行錯誤が始まりました。

味がぶれる箇所の特定

まず最初に、味が安定しないのは調味料を加える時に違いないと考えました。調味料を加えるのは、手順5のと手順7の部分です。

手順5は、豚挽肉を炒めながら調味料を加える工程です。ここでは甜麺醤・豆板醤・トウチを入れるんですが、麻婆豆腐の味に強い影響を与えているのはどれかと考えます。豆板醤は、風味もありますがやはり辛みを付けるのがメインの調味料です。豆板醤以外で辛みを付けてもそこまで味が変わらない印象だったので、豆板醤は美味しくならない直接の原因ではないだろうとしました。また、トウチは独特の風味と塩っ気で味にアクセントを付けるのが目的なので、これも美味しくならない直接の原因ではないと考えました。トウチ入れなくても、美味しくなる時は美味しくなるので、その結果からも関係ないと言えます。そして、甜麺醤。甜麺醤は中華の甘味噌で、これがあの麻婆豆腐の味を作っているのは明白です。手順5の中で、味に強い影響がある要素は甜麺醤だとしました。

手順7は、炒めた豚挽肉に水を入れ、調味料を加えて行く工程です。加えるのは醤油・紹興酒・鶏ガラスープの素・コショウの4つです。この中で、紹興酒・コショウは風味を付けるのがメインなので、味に対する影響度は低いと考え、検討対象からは除外。そこで醤油と鶏ガラスープの素は味への影響が大きいので、手順7では醤油と鶏ガラスープの素が味に強い影響を与える要素としました。しかし、醤油や鶏ガラスープの素を入れない状態で味見したり、ちょっとずつ入れて何度も味見をしたりしたのですが、これが味のぶれる原因だ! と言う要素が見当たりませんでした。そして、何度も何度も味見をしてるうちに、これらの調味料を入れる前から美味しいか美味しく無いかが決まってると思うようになりました。

これらのことから、味がふれる箇所は手順5の「豚挽肉に甜麺醤を入れて炒めるタイミング」として、そこからまた試行錯誤が始まりました。まぁ、これも今思えば勘違いだった訳です。

調味料が目分量なのがいけない?

調味料は基本目分量で入れてたので、豚挽肉の量に対して入れる甜麺醤の量を、意識するようになりました。豚挽肉は毎回300gとして、甜麺醤の量はいつものティースプーンでもりっと3杯入れるようにしました。大さじ3くらいのイメージです。分量を毎回同じにすれば、味が安定するはずだと考えた訳です。しかし、やはり味がぶれてしまいます。分量を守ったとして、味がぶれるという事は、調理方法にポイントがあるのではないかと考えました。次に着目したのが、甜麺醤を入れた時の炒め方でした。

豚挽肉に甜麺醤を入れた時の炒め方

テレビの料理番組か何かで、麻婆豆腐の作り方のポイントとしてこんなことを言ってたのを聞いたんです。「豚挽肉に調味料を入れた時、しっかりと炒めて豚挽肉に味を馴染ませないといけない」。これを聞いて、しっかりと炒めることであの美味しい味になるんだ! そこは意識してなかったわ~! と思って早速実践することに。最初は中火くらいで炒めてたんですが、じっくり時間を掛けて5分くらい炒めてると、調味料が鍋の端の方で焦げてしまうのに気が付いて、弱火でじっくり5分くらい炒めるようにしました。調味料が焦がしてしまうと、あのもっさりとした味になるんだろうなというイメージもこの時生まれてきました。また、調味料を入れた後にしっかりと炒めると、フライパンの中の油が濁っていた状態からどんどん透明になっていくんです。これは、入れた調味料が完全に豚挽肉に馴染んでいる状態だという説明をしてる料理人もいたので、その状態を目指してしっかり炒めるようになりました。

しかし、炒め方をいくら試行錯誤しても、やはり味がぶれてしまいます。そこから更に原因は別にあると思えれば良かったんですが、「炒め方が大事」という考え方に数年間捕らわれたまま、次のステップに移れませんでした。炒め方を意識するようになってから美味しく作れる率がアップしたのもあって、それが私の考えを縛っていました。率がアップしたのも、結局は気のせいだった訳ですが……。

ポイントは「炒め方ではない」と気が付いたきっかけ

「炒め方がポイントである」と信じて、毎回じっくりと弱火で5分くらい炒める作り方で数年間麻婆豆腐を作ってきた訳ですが、ある日偶然見たためしてガッテンのサイトで、自分の作り方に疑問が浮かんで来ました。

大発見!マーボー豆腐 激うま調理術 : ためしてガッテン – NHK

上記のリンク先に「調味料を入れてからスープを入れるまで」の時間の表がありました。つまり、豚挽肉に調味料を入れて炒める時間のことですね。表を見ると分かりますが、調味料を入れてから5分間も炒めている人は誰もいないんです。記事で麻婆豆腐を作ってる人たちは、名の知れた中華のプロばかり。その殆どが、調味料を入れてから炒める時間は30~40秒で、一番長くて90秒です。この記事を見た時に「5分も炒めるのは無意味なんじゃないか」と疑うようになりました。

しかし、この時は疑うようになっただけで、味のぶれに対する具体的な改善案は浮かんでいませんでした……。

そもそも麻婆豆腐の美味しい味とは?

結局麻婆豆腐の味のぶれのついて答えが出ないまま時間が過ぎていき、去年は味覚について考えるのがブームになっていました。「美味しい味」とはどのような状態なのかについてずっと考えていて、美味しい味について色々な文献を読んだり、この料理の味は人間の五味や五感のどこを刺激してるんだろう? そんなことを考えたりしてました。

そんな中、麻婆豆腐の美味しい味とはいったいどのようなものであるのか? を改めて考えてみたんです。そしたらですね、新しい発見がありました。私が好きな麻婆豆腐の美味しい味というのは、甘辛い味なんだ、ということに気が付いたんです。今までは漠然と美味しい、美味しくないと感じていましたが、自分の好きな麻婆豆腐の味が「甘辛い味」と意識することで、味のぶれに対しての解決策を思いついたのです。それは、味見して美味しくないと感じたら「砂糖」を入れることでした。

これがビンゴ! あれほど悩んでいた味のぶれが、調理テクニックではなくて、砂糖をちょっと入れることで一発で解消したんです。つまり、私が美味しくないと感じていた時の麻婆豆腐は、甘味が足りなかったのです。この解決策を思いついてから、麻婆豆腐を失敗することがなくなりました。しかし、そうなると新しい疑問が……。

砂糖を入れない時の甘辛い味とは?

そうです。砂糖を入れなくてもちゃんと甘辛い味になる時があるので、その違いが分からないのです。麻婆豆腐の甘味を生み出しているのは中華の甘味噌である甜麺醤ではあるのですが、入れる分量もそう違わないのに、何故ここまで味に違いが出るのか、さっぱり分からないのです。しかし、そこにも答えにたどり着けそうなヒントが、チャーシューにありました。

自家製のチャーシューを作っている時に、豚バラ肉の脂身部分をちょっと舐めた時、すごい甘味を感じたんです。甘味の要素となりそうな調味料は、みりんしか使っていません。しかも、ほんのちょっと。自分の味の記憶では、みりんだけではここまで強い甘味にはなりません。これはなんだろうと考えると、豚バラ肉の脂身が、甘味を強く感じる原因なんじゃないかと考えました。そういえば、先日砂糖なしでも美味しい麻婆豆腐が作れた時、油がたっぷり浮いた麻婆豆腐だったような気がします。油と甘味の関連性は、現時点ではまだ検証していないので明確な回答は出ていないのですが、麻婆豆腐の美味しさの真理にやっと辿り着くヒントが見つかったような気がします。もしかしたら、麻婆豆腐は赤身中心の豚挽肉よりも、脂身たっぷりの豚挽肉の方が美味しく出来るのかも?

私が迷い込んだ麻婆豆腐の迷宮、もう十数年近くさまよってますが、脱出するには、もうちょっと掛かりそうです。

料理において最も重要なスキルは「味見」である

料理において最も重要なスキルはなんだろう? そう考えた時に、真っ先に思いついたのが「味見」です。料理には「切る」「炒める」「味付け」などの様々な工程がありますが、最終的に美味しい味になったかどうかを判断するのは「味見」です。味見のスキルを鍛えていると、味付けに失敗したとしてもリカバリー出来たりと色々と便利です。私も長い間料理しながら味見の仕方を色々と工夫して、それなりに味の違いが分かるようになってきました。なので味見に関して考えていることを諸々書いていきたいと思います。

人は「味」が意外と分からない

【教育】最近の子供は味覚がない!?30%の子どもが味覚認識できず – NAVER まとめ

ちょっと前にこんな記事がありました。小学生に味覚のテストをして、正しく判別出来るかを実験したらかなりの子供が正確に味を認識出来なかった、という記事です。この記事を読んで「子供たちが正しく味を認識出来ないのは化学調味料のせいだ!」とか「親がちゃんとした食事をさせていないせいだ!」などというコメントもありますが、それらは恐らく見当違いでしょう。「味を判別できる」というのは、舌で受け取った情報を脳が正確に記憶している、ということです。この実験では「甘い」「塩っぱい」「酸っぱい」「苦い」の4つの味を別々に口に入れて味が認識出来るかテストしたようですが、基本的に普段の食事で、これら4つの味を個別に口に入れることはほぼありません。料理の味は「甘い」+「塩っぱい」だったり、「塩っぱい」+「酸っぱい」だったりと2つ以上の要素が混ざり合った状態で成り立っています。なので普段食べている料理の味は判別出来ると思いますが、個別の味を認識するような、味覚の訓練のようなことを子供がしているはずがありません。なので、正しく味を認識出来なかったとしても全く不思議ではないのです。「食文化の崩壊だ!」とか言ってる大人がいたら、あぁこいつなにも分かってないんだな……と考えていいでしょう。試しにこのテストと同じことを大人にしてみるといいと思います。大人だからといって味を個別に認識する訓練などしてるはずもないので、きっと結果は子供たちとそう変わらないでしょう。

人は「味」が意外と分からないけど、「美味しいかどうか」は意外と分かる、という矛盾

ここまで「人は味を正確判別出来ない」という主張をしてきましたが、しかしそう考えると矛盾があります。その矛盾とは、美味しいと評判になるお店はあるし、不味いと評判になって潰れてしまうお店がある、ということです。お店の評判は、味以外の要素もたくさんあると思いますが、美味しいと評判になっているお店があるということは、殆どの人が「美味しいか不味いか判断出来る」ということなんです。「味は分からない」けど「美味しいかどうかは分かる」、これは矛盾です。味が分からないのならば、美味しいかどうかも分からないはずです。

この矛盾を解決するために、私はこう考えるようにしました。

「味が分かる」ということは、五味や各素材の味が個別に認識出来るようになることであり、「美味しいかどうかは分かる」ということは、完成された料理の味が判断出来ると、ということだと考えればすっきりします。

人は皆、個別の味を判別するような訓練なんてしないんです。ただ、完成された料理の味が美味しいかどうかは、毎日の食事のたびに判別します。美味しいかどうかを判別する訓練は毎日してるので、それは上達しますよね。

料理を上達したいなら「味が分かる」ように訓練しよう

「味が分かる」ということは、五味や各素材の味が個別に認識出来るようになることだ、と定義しました。個別の味が認識出来るようになると、色々な素材や調味料が料理して混ざり合った状態になっても、なんの素材や調味料を使っているか、それなりに分かるようになってきます。分かるようになれば、お店の味を家庭で再現出来たりもするので、料理が俄然面白くなってきます。

ではどのようにすれば個別の味が判断出来るようになるのか? 私もプロの料理人には程遠いですが、それなりに味の事が細かく判断出来るようになったので、私が意識的にやってきた訓練方法を書いていきましょう。

どんな素材も調味料も必ず味見してみる

私はどんな素材も調味料も、知らないものに関しては必ず単体で味見するようにしてます。素材は、塩などの調味料で味を付けないで一度は食べてみます。火を入れた状態でも食べてみますし、火を入れない状態でも食べてみます。火を入れてないで食べるのに抵抗がある素材も、そのままで食べてみたりします。まぁ最悪お腹壊すくらいで済むだろうと思えるものなら、なんでも口に入れてみます。そうすることで「意外と生のジャガイモも美味しいんだなぁ」とか新しい発見があったりします。調味料も、知らないものは必ずそのまま味見してみることにしてます。こちらも素材と一緒で、料理として混ざり合った状態で食べるのとは違い、新しい発見があります。

調味料をひとつ入れるたびに味見する

私は料理をしてる時、調味料を入れるたびに味見をするようにしています。塩を入れたら味見をし、醤油を入れたら味見をし、スープの素を入れたら味見をし、といった具合に味見を細かくしていきます。これらを繰り返していると、どの調味料がどのように味に作用してるかが、なんとなく分かってきます。つまり味が混ざった状態の味を、判断出来るようになります。これが出来るようになると「何かひと味足りない……」という時に何を入れれば美味しい味になるのか、的確に判断出来るようになります。今足りないのは、塩なのか、それとも出汁なのか、これらが判断出来るようになると、味付けに失敗した時のリカバリーもし易くなります。

味付けが失敗した時、見当違いの調味料を加えて味がどんどん分からなくなっていく、なんて経験をしたことある人も多いと思います。私なんかは「ポトフや豚汁といった汁物の味がいまいち決まらなくて、あれこれ足してたらしょっぱくなってしまい、水を追加して薄くして、更に色々調味料を追加していったらまた味がいまいちのまましょっぱくなり、また水を足す」なんて失敗をよくしてました。最終的には鍋に水が追加できないくらいになって、なんか味が決まらないまま仕方なく食べる、なんてことがよくありましたね。

尚、これはおまけ知識なのですが、汁物の味見には気を付けなくてはいけないコツがあります。それは「絶対に冷ましてから味見をする!」ということです。鍋を火に掛け、熱々の汁物を味見する場合、お玉やスプーンで鍋から直接味見をしてしまう人も多いと思いますが、これで私は何度も失敗しました。熱々のままの汁物を味見すると、舌が火傷するんです。しかも、自分が火傷してると気が付かないくらいの火傷です。舌が火傷すると、正確な味見が出来なくなります。しかし自分では火傷してる自覚がないのですから、何度も味見しては「おかしいな~調味料追加」を繰り返したりなんてこともありました。今では火傷してるかどうかも自覚出来るようになったので、自覚した時は素直に諦めるようにしてます。なので、小皿に取ってから味見をする、というのはすごく大事なんです。カレーとか特にこれになりやすいので、カレー作りが趣味の人は、心当たりがあるんじゃないかと思います。

記憶に焼き付けるように味見する

味見をする時の更なるコツとしては、強く記憶に焼き付けるようなイメージで味わうことです。そして時間をおいて何度も何度も味見をすることです。一回で脳に記憶させられたらそれはそれですごい能力の持ち主だと思いますが、普通の人はそんなこと出来ないので、何度も何度も、強く意識しながら、味わうのがいいでしょう。「味覚が鋭い」というのは、単に「鮮明に記憶している」ということなので、味音痴だーと思っている人でも訓練でかなりのところまで鋭くなれると思います。味蕾の数が多いほうが味覚が鋭い、なんて話もありますが、いくら味蕾の数が多くても、食に興味がなければ味は記憶出来ないでしょう。

また、食べ慣れていない味に関しても、人は美味しさを判断出来なかったりするので、やはり味覚とは記憶と密接に繋がっているのだと言えるでしょう。

自分にとっての美味しい味を強く意識する

味見をして「自分にとって美味しいかどうか」という点を強く意識することも大事なことです。自分の中に絶対的な美味しい味の基準を作っておけば、そこから人の好みに合わせて味を調整することが可能になります。自分の中の絶対的な基準があってこそ、他人の味覚に合わせた美味しい味が作れるのではないかと考えています。

最後に

ここまで料理にとって最も重要なスキル「味見」に関して語ってきましたが、味見に関する情報って殆どないんですよね。味覚を鋭くするための訓練の仕方も、色々調べてはいるんですが、どれも曖昧でピントがずれてるような記事しかなかったので、自分で普段考えていることを記事にしてみましたが、もう少し考えて整理していけば「味覚の具体的な鍛え方」なんてのも確立出来るかもしれませんね。つーか誰か確立してないんですかね? もし知ってる人がいれば、是非教えてください。

料理酒使うのやめました

ここ数年、どれだけ少ない材料や調味料で美味しい料理を作れるかを考えるのが楽しいんですが、色々試してるうちに「料理酒って本当に必要なのか?」と考えるようになりました。

料理酒を使う理由

多くの料理レシピには、料理酒が使う材料に入っています。日本酒、白ワイン、赤ワインあたりはよく使われるお酒です。私も今までずっと考えなしにとりあえず入れるもの、的な感じで入れてましたね。料理酒を使う理由も多々あるんですが、曖昧な感じの理由はさておき、代表的な理由を挙げていきましょう。

臭みを消す

お酒を使う理由でよくあるのが「肉の臭みを消す」です。でもですね、よくよく考えてみるとスーパーで買ってくるお肉が臭かったことなんて殆どないんですよ。冷蔵庫の中で放置した結果、今流行の熟成肉になったりせずに腐敗臭を放つことは多々ありましたが、買ってきたお肉が半額シールも貼られてないのに腐ってた、なんて経験はほぼゼロです。なのでテレビ番組とかで「臭みを取る」という説明を聞く度に「本当か?」と思ってました。考えてみると、昔は流通や冷蔵技術が発達してなかったので、肉が腐りかけになっていることは日常茶飯事だったのかもしれません。その臭みを酒で取るという手順だけが現代に残り、そのままお約束のように言われているのだと想像してます。現代は流通も冷蔵技術もすごい発達してるので、肉の鮮度が保たれたままスーパーに並べられている、そう考えると「肉の臭みを消す」という手順はもう無視しても良いのだと思います。

旨味成分

「お酒に旨味成分が多く含まれてて~」みたいな話もあると思うんですが、料理に大さじ1~2杯入れた程度でそんな味が変わるほど旨味成分ないですって。カツオ節や昆布に比べれば誤差みたいなもんです。

風味を付ける

もうひとつ料理にお酒を使う理由として「風味を付ける」というのがあります。お酒の風味は料理の味をかなり変化させます。お酒のなんとも言えない独特の風味によって、一段階に上がったような味になります。中華料理に紹興酒を使った時の「おお! すごい本格的な味になった!」という感動、未だに忘れられないくらいです。ただ、お酒が切れてしまって仕方なくお酒抜きで料理を作った時があったんですが、それはそれでしっかり美味しいんですよね。なので積極的にお酒を使うのをやめてみたんですが、お酒入れなくても肉じゃがは美味しいですし、白ワイン入れなくてもオイルパスタは全然美味しいですし、紹興酒入れなくても麻婆豆腐は美味しいんですよね。これにより、美味しさにとってお酒の風味は必ずしも必須ではない、という結論に至りました。入れなくても美味しくなるんだったら、無理に入れなくてもいいだろうと。

そして料理酒を使わなくなった

こうして使うのがお約束だったと考えていた料理酒も、使う必要性はあまりないのではと考え直すことが出来ました。まぁ反論とかは色々あるかもしれませんが、料理酒無しで実際に美味しい料理が作れているのですから、それ以上の証明は無いでしょう。伝統的にお酒の風味を効かせた料理やお菓子を作るのであれば必須ですが、伝統的とか、そういうのを取っ払った「美味しい味」にはお酒はほぼ必要無いだろう、と私は考えてます。

今うちにある料理酒は下のAmazonで購入した紹興酒のみですが、これも無くなったらもう買わなくてもいいかなぁ。でも紹興酒使うとテンションが上がるのも事実なんですよね~。まぁ結論としては「使いたければ使え! 使っても使わなくてもどっちも美味しいから!」ですかね。

「風味」とは口内から鼻に抜ける香りのことである

ここ最近、「美味しい味とはどのようなことなのか?」ということをずっと考えてて文献などを漁っていたんですが、脳科学から美味しい味についての研究に関する本が出ていたので、これはきっと面白いに違いないと読んでみました。それが上記の「美味しさの脳科学:においが味わいを決めている」です。これが完全に当たりでした。ちょうど一ヶ月前に「風味」ってなんなんだろうなーと考えてて「風味とは、口内から鼻に抜ける香りのことだと認識すれば理解しやすいな」と一ヶ月前に考えたんですが、アメリカの学者が出した本にそれと同じことが書いてあるんですよ! これはなんか気分いいですよね~。勉強とか全然してないけど、そこまでは俺独学で辿り着いたぜ~みたいな。まぁこの本を書いているゴードンさんは何十年も前から分かってて研究してるみたいなので完璧に負けてはいるんですが。

という訳で「この本は美味しい味を人間の脳はどのように理解しているのか」ということについて研究してきた著者のゴードン・M・シェファードの数十年の研究成果を一般向けに書き上げたものです。脳神経のかなり専門的な用語がたくさん出てくるので、その辺りはざっくりとしか理解できませんでしが、かなり面白かったです。「風味」という言葉の定義は非常に曖昧だなーとずっと考えていたんですが、口内から鼻に抜ける香りのことなんですね。本書では、臭いを人間が感じるパターンは二つあって、本書では下記のように分類されています。

オルソネイザル経路の臭い:普通の鼻から外気を吸うことで感じる臭い
レトロネイザル経路の臭い:口内から鼻に抜ける時に感じる臭い

難しい用語は置いておいても、風味とは純粋に臭いのことであって、口の中で食べ物を噛んだり、なめたり、飲んだりする時に発生する臭い成分が口内から鼻に抜けていく時に感じるものなのだと覚えておけば、ちょっとした時に使える豆知識として有効でしょう。犬などの動物は人間より嗅覚が優れているというイメージがありますが、それはあくまでオルソネイザル経路の臭いに対しては敏感なように進化しましたのであって、逆に人間はその進化の過程でレトロネイザル経路で臭いを感じる能力を進化させてきた、ということだそうです。

そして、臭いが「美味しい味」にとってとても重要なことだと書かれています。そういえば、鼻をつまんで料理を食べると、一体何の料理を食べているのか全く分からなくなってしまうという現象がありますよね。つまり、味覚で感じる五味はあくまで料理の美味しさに取ってベースとなる要素であって「美味しい味」となる為に欠かせない最も重要な要素は「臭い」であると言えます。

先日伊予柑さんのお手伝いで、Maker Faire Tokyo 2014というイベントに参加したんですが、この時の出し物が「ただの砂糖水をゼリーにして、そこにスプレーボトルからシュッと食用の香料を掛けるだけで味が変わるのを体験して貰う」というものだったんですが、殆どの人がその味の変化にビックリしてました。レモン香料や紅茶香料をシュッと一吹きするだけで、味気なかったゼリーが急にレモンゼリーになったり紅茶ゼリーに早変わりするんですよ。これはお手伝いさせて貰って、すごくいい経験になりましたね。このやり方を拡張していけば、料理にシュッと香料を一吹きすれば、味がガラっと変わってしまう、みたいなことを出来るってことなんですよね。現段階では砂糖水のゼリーみたいなものでしか香りをコントロール出来ないですが、研究が進めばかなり可能性はあると思いますね。

本の話に戻りますと、臭いをどのように脳が感じるかを研究してきたここ数十年の歴史も垣間見えるのが面白いですね。ちょっとした思い付きから仮説が生まれ、その仮説を証明して次々に脳科学の真実に近づいていく過程がとてもエキサイティングに感じました。他の研究者たちが研究している技術を見て、これは自分たちの研究の証明に使えるかもしれない! と試行錯誤しつつもワクワクしながらどんどん研究を進めていくイメージが私の中で生まれてきました。この辺りの文章は専門用語まみれでかなり読むのが大変でしたが、著者たちが頭を抱えて試行錯誤しつつもワクワクしながら研究している感じが読み取れて非常に面白かったです。

香りの成分は何百種類とあり、それらの香りが人間にどのように作用しているか、現時点ではまだまだ解明しきれていない領域ではあるようですが、この本でかなりのところまで研究が進んでいるのが分かりました。数十年後には、香りの分野がもっと面白くなってくるかもしれません。

ガス派だった私がIHに乗り換えて分かったIHのメリットとデメリット

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中華と言えば高火力! 若い頃、中華料理の魅力に取り付かれていた私はもちろん完全にガス派、いや言うなればガス信者でした。そんな私が2008年からずっと愛用してたのが上のガスコンロ。リンナイとクロワッサンが共同で開発した、家庭用としては超高火力なRTS-2CTです。このガスコンロ、左の口が内火と外火で二重に火が付く構造になってて、火力は一口で6000カロリーと家庭用としては異例の火力です。現在の最新型ガスコンロの火力は一口4000カロリーくらいが一般的なので、その火力の高さが分かります。この強い火力にすごい満足してて「あーもう俺ガス以外はねーなー。最近IHとかも出てきてるけど、やっぱ料理好きならガスだよなー。将来は中華料理屋の業務用ガスコンロ(20000カロリーとか出るヤツ)欲しいなー」とか思ってました。

でも、今年の頭、仕事の関係でどうしても引っ越しをしなくてはいけなくなって、しかも色々と忙しくて物件を吟味してる余裕がなかったんです。すぐにでも決めなくてはいけない状況でした。そんな切羽詰まった状況で不動産屋に行って、1日数件の物件を見て回ったんですが、一件だけ内装とか設備とかがすごく好みの物件があったんです。ただ一点、キッチンがIHであることを除いては……。

この時は非常に悩みました。料理が趣味の人間として、中華料理が軸となっている人間として、ガスでは無くなるということは大問題です。IHが家庭に普及し始めてからまだ10年程度しか経ってないと思いますが、IHへのイメージはまだまだ悪いのが現状です。「IHで料理作ると不味くなる」なんて真剣に思ってる人も割といるくらいですし。

しかしここ数年、自分の料理に対するスタンスに変化がおきてて「道具に拘るヤツやまだまだ素人。どんな道具でも美味しく料理が作れてこそ玄人」という意識があり、一晩悩み抜いた結果、IHの物件に決めることにしました。決めた後はすごいポジティブ思考になって「IHを使いこなせるようになったら俺ガスもIHも使える両刀使いでカッコイイじゃん!w」とか「IHを使いこなせるようになって、IHのメリットとかデメリットとかをまとめた同人誌でも作ればいいんじゃね?w」とか考えるようになっていましたw

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そしてIHの物件に住み始めてから約9ヶ月が経ち、この記事を書いてる訳です。上の写真が今使っているIH。料理が超好きな私がIHを使い続けて感じた感想としては「IHめっちゃ使いやすい! あれだけガス信者だったけどこれからはIH信者に転向! ガスに拘ってる料理人とかマジで古い!w」と超煽り気味なことも思ってしまうくらいIHが好きになってしまいました。いやまぁガスも好きですけどね。ちなみにRTS-2CTは会社の部下にあげました。

それでは料理趣味人として感じたIHのメリットを書いていきましょう。デメリットやその他雑感も色々書くよ!

 

IHのメリット:掃除がしやすい

これはIHを売る時に真っ先に出てくる売り文句ですね。IHはサッと布巾で拭けば殆どの汚れは取れてしまいます。キッチンを清潔に保つのが非常に楽になる訳です。ガスの時は定期的に油まみれになった五徳や受け皿をタワシでゴシゴシ洗ったり、ガスコンロの裏側もこまめに掃除していた私としてはこれは画期的なことです。掃除に掛かる時間と手間が10分の1くらいになった訳ですよ。

でもまぁ、キッチンを常時清潔に保ってる人なんて料理が好きな人の中でも正直稀なので、このメリットはメリットだと感じてくれる人はあんまりいないかなぁと思ってます。

 

IHのメリット:火力の調整がすっごい楽

ガスの場合だとつまみをちょっとずつ微調整して火力を調整してた訳ですが、これがボタンひとつでピッピと変えられるんです。火力は10段階くらいで調整可能で、超弱火にするのもボタンで一発。ガスの場合、超弱火にしようと思ったらしゃがみ込んで火が消えるか消えないかのギリギリのラインを見極めつつ調整してたら力が入りすぎて火が消えちゃって再点火! とかしてた人も多いと思いますが、これがボタン一発で出来るんです。火加減調整が楽になることで、より料理に集中することが出来ます。これはかなりのメリットだと感じました。

ガスの方が10段階どころかもっと細かく調整出来るよーとか思った人は、さっさとIH使ってその便利さを体感した方がいいっす。

 

IHのメリット:キッチンが暑くならない

ガスを使ってた頃は高火力のガスコンロで気持ちよく料理をしてた訳ですが、これにも欠点があって、キッチンが非常に暑くなるんです。夏だと完全に蒸し風呂状態で、自分の汗で料理がしょっぱくなっちゃうんじゃないかってくらいにいつも汗だくになりながら料理してました。火の熱が鍋だけじゃなくて、空間も熱していた訳です。

しかし、IHだと鍋自体が熱くなる仕組みなので、空間は熱されません。キッチンが暑くならないので、その分快適に料理が出来ます。キッチンが暑い中で長時間料理してると、どんどん体力が奪われるので非常に疲れます。これが無くなるだけで、もっと料理したくなるって思うこと間違いなしです。

後、ガス時代はキッチンが暑いと扇風機を回してたりしたんですが、極弱火にしたい時に扇風機の風があると火が消えちゃって、ムキー! となっていたのでこれもメリットですw

 

IHのメリット:火力がかなり強い

IHだと火力が弱いというイメージがあると思うんですが、そのイメージも覆されました。IH初期の100Vのものだと火力に不満が出るみたいですが、現在主流の200VのIHだと火力はかなり強いです。今の物件のIHも200Vなので、IHって火力強いんだなーと感じました。私は100VのIHは使ったことがないのでなんとも言えないですが、200VのIHであれば火力の心配は一切なしと自信を持ってオススメ出来ます。お湯が沸くのも段違いに早いです。

 

IHのメリット:熱源が火ではないのでよい安全

これもIHのメリットとしては定番のうたい文句ですが、私としてはそこまでメリットを感じてないかも。子供がいる家庭であればメリット高いと思いますが、私は料理が趣味でバリバリ料理する人ですし、結婚してますがまだ子供もいないですしね。

こんな感じでIHのメリットを4つほど書いた訳ですが、もちろんメリットだけじゃありません。IHを使いこなす上で気をつけておきたいポイントもたくさんあります。では、IHのデメリットも色々書いていこうと思います。

 

IHのデメリット:ガスからの転向だと鍋の買い換えにお金が掛かる

これは致し方ないことですね。IHの仕組み上、ガスで使えていた鍋やフライパンが使えなくなります。鉄のフライパンなどは使えるんですが、鍋底が丸い中華鍋などはIHでは使えません。雪平鍋などのアルミの鍋や、銅の鍋も使えなくなります。IHで使える鍋の種類は、鉄・ステンレス・ホーローなどで、アルミや銅の鍋は使えないと考えていいでしょう。一応オールメタル対応というIHなら、アルミや銅も使えるようですが、鉄の鍋などと比べると熱量が弱くなってしまうこともあるようです。

私は引っ越し前だとよく使っていたのは、中華鍋・雪平鍋・アルミのパスタパンの三つ。うちのIHはオールメタル対応ではなかったので、これが全部使えなくなってしまいました。

 

IHのデメリット:オシャレな鍋は重くて高いのばかり

IHになった時、どうせならIHの雰囲気にあったセレブでオシャレなフライパンや鍋を買おう!w と思って色々調べたんですが、これがブランド物で死ぬほど重くて死ぬほど高い鍋ばかり。フライパンが2キロくらいあるのが普通で、値段も2万とか3万とかするのばかり。とりあえす最初にIH用として選んだのはジオプロダクト。


重さも他の物に比べれば軽く、値段も1万そこそこ、見た目のオシャレさが決め手となって買ったんですが、これがやっぱり重すぎて炒め物なんかはもう料理にならない。持ち手が持ちづらいのが一番の難点で、2~3ヶ月は頑張って使ってたんですが、とうとう我慢しきれずティファールとマイヤーのフライパンを買ってしましました。

こっちはそこそこ軽く、持ち手も持ちやすいので今は重宝してます。値段もそんなに高くないのでいいです。でもテフロンなので、2~3年持てばいいほうかなと……IHの場合は、変にブランドものは買わずに、ティファールを選択してダメになったら買い換えるのがいいのかもしれません。雪平の様に軽くて、使いやすいIH用の鍋があれば速攻飛びつくんですが、現状では無いみたいです……。

また、IHのシステム自体がえらく高いです。ガスからIHに変えようと思ったら、普通に50万とかしやがります。賃貸物件に最初から付いてるとかじゃないと気軽には導入できないですねぇ。

 

IHのデメリット:業務用チックなでかい鍋が無い

雪平や鉄フライパン・中華鍋やアルミパンであれば30cmとか40cmとかのデカいサイズの鍋が普通に売ってるんですが、これがIH対応のオシャレ鍋やテフロンフライパンだと大きくても27cmくらいのサイズしかなく、10人前単位の大量の量を仕込んだりするのが非常に困難になりました。まぁ普通の人はそんなデカいサイズは必要ないと思うんですがw でも例えば四人家族とかで炒め物を四人前作りたい時なんかは、27cmのフライパンじゃ小さいので一気に作るのが出来ないですよね。

一応ネットで探せば30cmのテフロンフライパンはあるんですが、デザインがちょっとアレな感じで買う気にならず……ガス時代なら自分の好みの鍋を探すのに苦労しなかったんですが、IH用はまだまだ選択肢が少ないって感じがします。

 

IHのデメリット:フライパン返しがそんなにできない

料理好きが高じて華麗なフライパンさばきを身につけた料理男子も多いかもしれませんが、IHではフライパン返しをすると、熱源から離れてしまうので頻繁には出来ません。ちょっとくらいするのは問題ないですが、せっかく身につけた華麗なフライパン返しの技術はもう使えません。私も、若い頃中華鍋で塩を乾煎りしながらフライパン返しの練習をしたもんですが、あの技はほぼ封印されましたw

まぁ、フライパン返しも別に美味しい料理を作るのに必須な技術ではないので、そんなに問題はないかなと思ってます。IHにあった料理の仕方をすればいいだけですから。

 

IHのデメリット:フランベができない

これはどうあがいてもIHでは不可能です。フランベという定番技法が使えないのはフランベ好きには我慢ならないと思います。ただ、これも一応回避策があって、チャッカマンやガスバーナーを持っていれば一応フランベと同じ事が可能になります。我が家にはどちらもあるので、この心配は無いですが、私はそもそもそんなにフランベしませんでしたw

 

IHのメリット・デメリットまとめ

ここまでIHのメリットとデメリットを色々語ってきましたが、最後に完結にまとめまたいと思います。

IHの最大のメリットは「ガスよりも料理に集中できる」ということなんじゃないかなと感じました。火力の管理やキッチンの暑さ、これらが改善するのはメリットだと思います。

そして、IHの最大のデメリットは「全ての値段が高く、道具の選択肢が少ない」ということです。新しい技術なので、しょうがないとは思いますが、現状では気軽に導入できるかと言えば無理でしょう。IHは、まだまだセレブ向けの商品です。この辺は、あと20年くらいしたら状況は変わるかもしれませんね。

 

最後に

とりあえず私はこのままIHの可能性を追求する方向に突っ走りたいですね。デメリットも多々ありますが、「料理が趣味の人と言えばIH!」となるくらいの新しい概念を生み出していきたいなーとか考えています。「こだわる男のIH料理道」とかw 新しい技術だし、理系男子やガジェット好き男子の心をくすぐるようなイメージも作り出せるんじゃないかなと。主婦向けのイメージも安全・安心・清潔くらいなので、もっと拡張出来るはず。IHは、まだまだ始まったばかり。色々弄り倒す余地がありそうで、私のIHブームは当分続きそうです。

あ、ちなみに今住んでるこの物件、ディスポーザーが付いてるのも決め手の一つでした。ディスポーザーには数年前から憧れていたんですが、ディスポーザーの使い勝手に関してもまたレポートしてきたいですね。

味覚について - 私は美味しい味をどのように判断しているか

本日は味覚の話です。味覚って非常に曖昧で、現状だと「人それぞれ」って感覚が強いです。味を表現するための言葉もたくさんありますが、コクとかキレとか旨味とか、色々言われても結局よく分からないですよね。味を数値化出来る味覚センサーという機械も世の中にはあるみたいですが、それで料理の味を完璧に表現出来て、美味しい味を作れるかというとまだまだ難しいのが現状です。ただ、私はどんな料理でも、その料理が「美味しい味」なのかどうかが大体分かります。自分は味覚が鋭いとかそういう話では無いんですが、それはどんな感覚で判断しているのかを、書いていきたいと思います。

頭の中にある「三つの箱」のイメージ

私は料理の味を感じる時、頭の中に「塩分」「出汁」「風味」という三つの箱を作って、それが満たされているかどうかで味を判断しています。自分の中に、この三つの要素をバランス良く満たしているのが「美味しい味」という具体的なイメージがあります。このイメージは、五感と具体的に結びついていて「この味は出汁が足りない」や「この味は風味が足りない」と判断しています。

このイメージは、私が料理を作りながら作り上げたものです。私は料理をする時、色んなポイントで味見をします。調味料を入れる前後、炒める前後、などの各種ポイントでちょっとずつ味見しながら、味の変化を具体的に感じるようにしてきました。そんな事をしてたら、こんなイメージが出来てきたんですよね。なので、自分以外の人に説明してもなかなか理解して貰えるとは思ってないのですが、似たようなイメージを持ってる人もいるかもしれません。

私のこのイメージを具体的に表現してみると、例えば出汁が薄いスープを飲んだ場合、なんだか水っぽい感じがするんですよね。しかし、出汁をどんどん濃くしていくと、水っぽい感じがしなくなります。こういった舌で感じたイメージを強く記憶するように意識してると、全く違うスープもの、例えば味噌汁とコンソメスープなんて全然違う料理ですが、同じイメージで味を感じる事が出来るようになりました。このイメージをどんどん拡張して、全ての料理の味を「塩分」「出汁」「風味」という三つの要素で考えることにより、ステーキだろうが、天ぷらだろうが、豚汁だろうが、炊き込みご飯だろうが、どんな料理でどの要素が足りていないか、なんとなく判断出来るまでになりました。

三つの要素のバランス

この三つの要素のイメージから世界中の料理の味を考えてるんですが、色んな地域の料理でこの三つの要素のバランス取り方は結構違います。和食やフランス料理・中華に関しては、出汁の成分を強くする傾向にあります。和食だと鰹節や昆布の出汁文化、フランスだと非常に手間の掛かるフォンの文化が特徴的ですね。中華も何時間も弱火で煮込んでスープを作ります。これがインドや東南アジア・南米あたりになると、出汁成分はちょっと薄めなんですが、風味を極端に強くすることで美味しい味を作っています。何百種類もありそうなスパイスや、香りの強い香草をふんだんに使うのが特徴的ですね。

味覚とは記憶力である

結局味覚ってなんなんだと考えると、五感で感じた味をどれだけ具体的に脳に記憶出来るかってことだと思います。私の場合は、三つの箱を作ることで汎用的に料理の味を判断することに成功しました。もちろんイメージがぼやけて記憶している味に関しては判断出来ない場合もありますが、これは食事する度に修正している感じです。味覚は天性のものなんて話もありますが、そんな訳ありません。特別でもなんでもなく、膨大な食に関する経験と、それを具体的に記憶しているか、ということなんだと思います。

私の口がイヤイヤとなってしまう食べ物たち

私は一切好き嫌いが無い人です。一人暮らしの自炊で料理に目覚めた後、「料理が趣味の人なら好き嫌いがあってはいけない!」という無駄な使命感から、20代前半に嫌いなもの克服ブームが置きました。そんなブームもあって、今はほぼ何でも美味しく食べれます。まぁそんなに嫌い食べ物って元々無かったんですが、唯一嫌いだったのは納豆です。嫌いになった理由は、保育所で激不味な納豆サラダ(普通のサラダに納豆を入れてぐちゃぐちゃにしたサラダ)を食べれなくて、食べれるまで延々と残されたことがトラウマになったからです。でもまぁ20歳も過ぎていた時にはそんな記憶も薄れて、食べたら普通に美味しかったので今では大好きです。

そんな好き嫌いが一切無い私ですが、食べたり飲んだりすると口の中に違和感というかイガイガというか、そんな感じの状態が続いてしまう食べ物があります。普通に美味しくて好きなので、あまりその点について意識をしてこなかったんですが、もしかして弱めのアレルギー? と考えるようになって、結構体調とかにも影響してそうな気がしてるので、ここらで本格的に意識してみようと思った次第です。

私の口がイヤイヤとなってしまう食べ物:生の長ネギ

ちょっとだけなら全然OKなんですが、生の輪切りにした長ネギなどをいっぱい食べると、口の中がイガイガして歯磨きしてもとれない感じになります。生のきざみネギがたっぷり入った醤油ダレとか、死ねます。次の日もずっと続くので、大量には食べないように気をつけてます。


私の口がイヤイヤとなってしまう食べ物:コンビニのサンドイッチ

食べた直後から、なんか喉の奥がイガイガーってなってしまい、胃の中からもパンのイーストのような風味が上がってきて、気持ち悪い感じが暫く続きます。2~3時間は続くかも。この感じはアレルギーな気がしてます。コンビニサンドイッチだと1パック食べればこんな感じになってしまいます。

私の口がイヤイヤとなってしまう食べ物:コンビニおにぎりのパリパリ海苔

おにぎり一個くらいだといいんですが、二個以上食べると海苔の風味が胃からあがってきて気持ち悪くなります。喉のイガイガもサンドイッチほどではないですがあります。こっちも2~3時間は続くので、結構辛いです。

私の口がイヤイヤとなってしまう食べ物:カラムーチョ

カラムーチョは昔から大好きでよく食べてたんですが、一袋をひとりで完食すると、暫くすると口の中がやはりイガイガ。歯磨きしても全然取れず、嫌な感じが寝て一晩経っても嫌な感じが続きます。

私の口がイヤイヤとなってしまう飲み物:ブラックコーヒー

舌の奥の方に苦味がずっと残ってしまい、これも歯磨きしても全然取れない。口の中がずっと苦いと、徐々に体力吸われます。缶コーヒーとかお店のコーヒーとかに限らず、高確率でイヤイヤとなってしまいます。でも、ならない時もまれにあります。

私の口がイヤイヤとなってしまう飲み物:ミルク入りコーヒー

ブラックと違い、なんともいえない気持ち悪い感じが舌にまとわりついて取れません。これを放置しておくと、劇的に体調が悪くなり、最悪発熱。マウントレーニアで一度倒れかけた。微糖コーヒーは論外。買った缶コーヒーが一口飲んで微糖だと分かったら即捨てます。

他にもあるかもしれないんですが、だいたいこんな感じです。一番の特徴としては、食べた直後からそうなるってことですね。他の食べ物や飲み物に関しては、上記のような症状にはならないですけどね。気が付いてないだけかもしれませんが……。この症状のことを色んな人に聞いてみたんですが、そういうのは全然感じたことないという人ばかり。ツイッターでつぶやいてたらひとり居たってくらい。んー殆どの人は口の中がイヤイヤになったり調子が悪くなったりはしないみたいです。これってもしかしてアレルギー? なんですかね? アレルギーって食べたら最悪死に至るみたいな過激なイメージありますけど、実はそこまでじゃないけど、あんまり意識しない程度に弱いアレルギーを持ってる人も結構いるんじゃないかと思ってます。もし、私はこれを食べると口の中がイヤイヤになる! って人がいましたら、コメントにでも書いて頂けると幸いです。こういう症状で困ってる人が結構いるってのが認知されるようになっていけば、具体的な改善策も取れるかもしれませんしね。

とりあえず私は近日中にアレルギー検査を受けにいってみようと思います。私、実は弱い食物アレルギーを多数持ってる人だったりしたら嫌だなーw あれもこれもアレルギー! ってなことにならないように祈ってます。でも多数のアレルギーを持つ料理研究家とか、キャラとしては面白いかなw アレルギー検査してきたら、それもまた報告したいと思います。

結局科学は「美味しい味」を全く解明出来ていない

なんですかね、科学は万能、世の中の事は全て解明出来てるってイメージ、あるじゃないですか。そんなイメージを持ってる時点でアレな感じはあるんですが、私も結構最近までそれに近いイメージがありました。まぁもちろんそんな事はなくて、科学はまだ世界のことをさっぱり解明しきれていなくて、まだまだ発展中と理解するのがより良い理解なんだろうなと思っています。

料理の世界も科学の進歩と共にすごい発展してて、分子ガストロノミーなんて言葉が耳に入ってきます。分子ガストロノミーは、超簡単に言ってしまえば料理のことを科学的に分析し、新しい料理を模索していこうという動きのことです。この辺りの動きから、青菜を塩茹でしても塩味が付く以上の意味はないことが分かりましたし、最近ちょっと話題になった「パスタを茹でる時に塩を入れるか否か」という話も浮き上がってきました。科学で料理の事が色々と分かってきましたが、色んな料理と科学の情報をまとめてみると「昔から言われている料理のコツを、科学を使って肯定したり否定したりしてる」という事しか出来ていないといいう事実に気が付きました。このコツは科学的にも正しい、このコツは科学的に意味がない、そんな感じです。

でもですね、そのコツが科学的に正しい・正しくないが証明されたからって、我々は料理が上手になるでしょうか? 料理をする人の間で「ほらねー」みたいな話のネタを提供するくらいの役割しかないように思えます。もちろん科学的な視点からの研究が意味が無いと言ってる訳ではないです。ただ、科学は「料理のコツ」をヒントに料理のことを研究しているというのが現状で、「美味しい味」というのはどうやって作られているのか? という研究はまだ進んでいないのではないかと私は考えています。

「美味しい味」は科学的にはまだ詳しく分かっていない状態なのだとは思いますが、では完全非科学の料理人たちの感覚の中では、恐らく「こうすれば美味しい味になる」というイメージが確立しているはずです。私も科学的な知識はほぼ小学生レベルで止まっている人でしたが、そんな私の中にも美味しい味を作る為のイメージが具体的に存在しています。それは全て、料理をしてきた経験からくるものです。しかし、それらのイメージはなかなか表に出てきません。レシピ本は数多あれど、料理人の頭の中で行われていることをロジカルに解説している文献も少ないのが現状です。

なので、暴論を言ってしまえば、
科学で料理を研究している人は、具体的な美味しい味に関するイメージを持っていなくて、
料理人は料理をするのが仕事なので、表現するのが得意じゃない。
そんな感じなんじゃないかと考えています。

科学の発展の歴史を紐解いてみると「あれ? もしかしてこれってこういうことなんじゃね?」という単なる思い付きレベルのイメージがスタートラインになっている事が多々あります。元となるイメージがなければ、それを証明するという発想も生まれない訳ですし、やはり今の料理には「美味しい味を作る具体的なイメージ」が足りてないんじゃないかと思います。「味の好みは人それぞれだから」とか言ってると何も発展性がないので、私のアプローチはかなり非科学な、経験のみを具体的なイメージにしていく、というやり方ですが、今後も思ったこと、思いついたことをどんどん発信していきたいですね。

減塩料理ならぬ、無塩料理を考える

先日このツイートを見かけて、減塩料理というものについて真剣に考えてみました。

料理が趣味の人としては、減塩料理って「健康優先で味は二の次」みたいなイメージがあって「そんなに塩のことを敵視しやがって! なんでもかんでも減らせばいいってもんじゃねーぞ!」と言いたくなるような気持ちがあるんじゃないかと思います。私もそんなひとりでした。料理は基本美味しい味を作るのが最優先で、塩の量とか油の量とか一切気にしたことはないです。美味しければそれでいい、健康なんてのは二の次だ、そう思っていました。

ただ、上記ツイート中の『料理研究家には、もっと「塩を控えてもおいしい料理」を研究してもらわなくっちゃ』という一文に私の料理魂が揺さぶられました。減塩料理って結構簡単じゃない? と思ったからです。なので、料理趣味人としての主義主張は一旦取っ払って、改めて減塩料理について考えてみました。

減塩料理の基本は「出汁を濃くする」「風味を強くする」、この二つです。単純に塩分っぽい調味料の量を減らすというやり方だと、料理はさっぱり美味しくなりません。では具体的にどうやるかは、様々なパターンがあるので例を出しつつ解説していきましょう。

出汁を濃くする

出汁に関しては、味噌汁で考えると分かりやすいです。出汁の素でもなんでもいんですが、いつもの倍くらい入れてみてください。そして入れる味噌の量を減らしてみましょう。出汁の味がしっかり効いてると、味噌の量が少なくても美味しく飲めるんです。いや、むしろプロの味に近づくと言ってもいいでしょう。料亭とか高級なお店だと、だいたい家庭でイメージする2~3倍は濃く出汁を取っています。出汁の取り方が、家庭とお店の味噌汁の一番の違いです。

「出汁が濃いと味噌が少なくても済む」と考えれば、煮物なんかも一緒です。出汁を濃くすれば、塩分系調味料の入れる量が少なくて済みます。なので、水分が多い料理、汁物・スープなどであればこのパターンが使えるということになります。更に、炒め物にもこの「出汁を濃くして減塩」のパターンは使えます。炒め物に味付けする時に「顆粒出汁だけで味をしっかり付けて、ちょっとの塩や醤油を使う」なんてやり方になります。

しかし、家庭で出汁を濃くする場合に気をつけないといけないポイントがあります。顆粒の出汁、ほんだしとかあるじゃないですか。あの顆粒の出汁は、何故か結構な塩分を含んでいるんです。顆粒の出汁をたっぷり入れた出汁は、思った以上に塩分が入ってます。これが結構くせ者で、仕上がりの味のバランスを崩すんですよ。一番いいのは、鰹節でちゃんと出汁を取れば純粋な出汁が取れるんですが、そんな面倒な思いしてまで減塩しても疲れちゃうので、それは避けたいところ。なので簡単で手間無く出汁を取る方法としては、無塩の顆粒出汁や出汁パックなどがいいでしょう。

Amazonで調べたら、リケンが無塩無添加の顆粒出汁を出してますね。下記に貼った出汁パックも悪くないですが、使い勝手を考えると、やはり顆粒出汁が断然使いやすいです。

風味を強くする

風味を強くすることでも、減塩しても美味しい味を作ることが出来ます。風味と言うと結構漠然としてますが、一番簡単な方法は「香りが強いもの」を料理にトッピングすることです。香りが強いものと言っても色々あるわけですが、和食材だと大葉・ミョウガ・ネギ・生姜・ゴマあたりのいわゆる薬味をどっさりトッピングしてあげると、鼻に抜けるその鮮烈な香りが美味しい味を作ってくれ、減塩しても美味しい味となります。もちろん薬味は生のまま刻んだり卸したりして使うのがいいですね。

洋風な料理だと、ハーブ類が活躍してくれます。香りが鮮烈でより美味しくなのは生のハーブな訳ですが、入手のしやすさ、価格、などから考えると乾燥ハーブが使いやすいです。乾燥パセリだと、クセもなく彩りくらいしか効果がないですが、乾燥バジルは使いやすくて香りも強く、ドバドバ使って減塩が見込めるハーブです。
香りの強さでいえばスパイス類もかなりいいですね。カレー粉をまぶせばお手軽に強い香りを食材につけることが出来ますし、クミンとかコリアンダーなどを個別で持っている人は、バシバシ料理に使うのがいいでしょう。

そして、出汁を濃くするのと、風味を強くするのを組み合わせれば、更なる減塩効果が期待できます。ここまでがパッと浮かんできた減塩料理ですが、その次に脳内に浮かんできたのは「無塩料理」でした。

無塩料理を考える

塩とか醤油とか味噌とか、塩分の要素がないと基本的に料理は美味しい味になりません。料理をするのにひとつだけ調味料を選ぶとしたらどれを選ぶ? そんな質問をされたら迷わず塩を選びます。それくらい、塩分は人が料理を美味しいと感じるために大事な要素になります。しかし、発想を変えてみれば、無塩でも美味しい料理というものが作れれば、それは本当の意味での「新しい料理」と言えるのではないかと考えた訳です。無塩料理を考えた時、パッと浮かんできたのはほうれん草のおひたしでした。サッと湯がいたほうれん草に、濃い目の出汁を絡ませ、更に刻んだミョウガを加えればそのままでも結構美味しいんじゃないかなというイメージが沸いてきました。多分これは美味しいです。ほうれん草のいい風味とミョウガの鮮烈な香りと共に、出汁が舌にしっかりとした満足感を与えてくれると思います。ただ、このような無塩料理ばかりの食卓を考えると、多分物足りない感じになるでしょうw ならば、メインおかず以外の副菜を、全て無塩料理にすればいいのではないか。いきなり全部の料理を無塩にするのは無理でも、副菜のみを出汁と香りたっぷりの無塩料理にすれば、違和感なく食べれると思います。

しかし、これではより減塩効果は見込めるとしても、完全な無塩ではありません。なので更に無塩でも美味しい食べ物……と考えていったら、あるじゃないですか! 無塩でも美味しいの! そう、お菓子です。お菓子は砂糖が中心の食べ物ですが、砂糖と出汁の卵焼きもありますし、もしかしたらこの方向性は行けるかも。砂糖と出汁という組み合わせ、色々と試す価値はあるかもしれません。

なので、無塩料理の味付けを考える上での要素は下記のようになります。

・要素1:砂糖
・要素2:出汁
・要素3:香り
・オプション要素:酸味・苦味・辛味

要素1~3を掛け合わせて、そこに酸味を足したり苦味を足したりすればあまり食べたことのない味が作れるかもしれません。無塩料理に関しては、ここまでは完全な妄想による文章なので、そのうち実際に試してみたいと思います。

これらの妄想の結果、減塩料理に対するイメージを単なる健康への配慮から、新しい味を作るというイメージに繋げられれば、面白いんじゃないでしょうか。減塩料理へのイメージは、根本的に「我慢」というマイナスイメージがメインなのですから、それをプラスのイメージに変換することができるとすれば、それは新しい料理、と言っても差し支えないでしょう。あと、減塩料理ってレシピ本よりも、無塩料理! ってレシピ本出したらなんとなくインパクトありそうじゃないですかw 今後取り組んでみたいテーマがひとつ増えました。

まぁ、砂糖の可能性が見えたところで、「砂糖が悪だ!」と言われたらしょぼーんな訳ですがw