TCP/IPカードゲームは、パケットの各種ヘッダーをカードと見立て、カードゲームを通してネットワーク技術を学ぶ事が出来るようにと考え作りました。
ネットワーク技術を学習するには、分厚くて高額な技術書を読むしかなく、かといって技術書が重要なポイントを初心者にも分かりやすく書いてあるとはとても言えないのが現状です。ならば、ゲームを遊んでいると自然とネットワーク技術が身についていくようなものが出来ないかと考えた結果、作ったのがTCP/IPゲームです。パケットは、運びたいデータに色んなヘッダーを付けて宛先まで届けたりしている訳ですが、各種ヘッダーのことをきちんと理解しているネットワークエンジニアはかなり少ないと思います。このTCP/IPカードゲームを通して、ネットワーク技術への理解を増し、ネットワーク技術に更なる興味を持つきっかけとなれば幸いです。
また、各種ヘッダーをカードと見なすことで、アイデア次第で様々なネットワーク技術を理解するために使えると思いますし、新人教育のための教材としても使えると思いますので、このアイデアは自由に活用して貰えればと思っています。
ただ、現時点(2014/9/28)ではアイデアのみで、具体的な製品としてはまだ作れていないです。そのうちカードゲームを作れる印刷所を探したりして実際にカードを作ったりしてみたいですね。ゲームのルールやゲームバランスなども、まだまだ見直す必要があると思うので、色んな人の意見を聞いたりして、随時アップデートしていく予定です。
それで、まず最初に作ったのが下記のVLANゲームです。
VLAN tag/untagゲーム
VLANゲームは、VLANという技術をパケットレベルで理解して貰えるようにと考えました。
- ルール説明 -
プレイ人数:2~4人用です
ゲームの目的:Start位置からGoalを目指し、最初にGoalした人が勝ちとなります
使用するカードは以下のように、Header Cardと、Switch Cardの二種類で構成されています。
Header Card
Header Cardは下記の六種類のカードがあります。
・Ehternet Header
・Vlan Header
・IP Header
・TCP Header
・UDP Header
・DATA Card
この六種類のカードを組み合わせて、Goalを目指します。
尚、Header Cardに記載されている数字は、そのHeaderのbyte数になります。ゲームを遊ぶ際には特に意味はないですが、ゲームで遊んでいると自然とHeaderのbyte数が覚えられる仕組みです。
Switch Card
Switch Cardを見て貰うと、下記の三種類の記号が、合計四つ記載されているのが分かります。
・access vlan
・trunk vlan
・routed Port
隣接したSwitch Cardの上下左右の記号の組み合わせで、その区間が進めるHeader Cardの組み合わせが決まります。進めない区間もあります。進める/進めないの組み合わせは以下のようになります。
・access vlan ~ access vlan :進める
・access vlan ~ routed Port :進める
・trunk vlan ~ trunk vlan :進める・trunk vlan ~ access vlan :進めない
・trunk vlan ~ routed Port :進めない
Switch Cardを下記のように配置し、ネットワーク図のようなものを作ります。Switch Cardを配置する時、カードの向きが上下左右がバラバラになるように切りましょう。そうすると、Switch Cardに記載している記号の組み合わせが毎回ランダムになります。
各プレイヤーは、上記の図のように四隅をStart位置として、対角線の隅をGoalとします。
Header Cardが揃ったらカードを山札に捨て、一歩進む事が出来ます。
各種記号の組み合わせと、揃うと一歩進めるHeader Cardの組み合わせは、以下のようになります。
- ゲームの流れ -
1. Switch Cardを切り、場に並べます。カードの上下左右の向きは、
バラバラになるのが望ましいです。
場に並べ終わったら、誰がどのスタート位置を取るか、決めましょう。
自分のコマをスタート位置に置くのがいいでしょう。
2. 最初にHeader Cardを全員に8枚ずつ配ります。余ったカードは山札とします。
3. 普通のカードゲームの様に、じゃんけんなどでプレイしていく順番を決めます。
じゃんけんで勝った人から時計回りとか、そんな感じで。
4. 自分の順番の時に、山札から1枚Header Cardを引き、
手持ちのHeader Cardが揃っていれば1歩進めます。
1歩進んだ時は、手持ちのHeader Cardは山に捨てます。
5. 誰かがGoalしたらゲーム終了です。
- このゲームの問題点 -
まだ実際にこのゲームで遊んだ訳ではないので、カード枚数や、Switch Cardの記号などのルールがこれでいいのかはまだよく分かっていません。なので、実際に遊んでから今後アップデートしていくことになると思います。