結局科学は「美味しい味」を全く解明出来ていない


なんですかね、科学は万能、世の中の事は全て解明出来てるってイメージ、あるじゃないですか。そんなイメージを持ってる時点でアレな感じはあるんですが、私も結構最近までそれに近いイメージがありました。まぁもちろんそんな事はなくて、科学はまだ世界のことをさっぱり解明しきれていなくて、まだまだ発展中と理解するのがより良い理解なんだろうなと思っています。

料理の世界も科学の進歩と共にすごい発展してて、分子ガストロノミーなんて言葉が耳に入ってきます。分子ガストロノミーは、超簡単に言ってしまえば料理のことを科学的に分析し、新しい料理を模索していこうという動きのことです。この辺りの動きから、青菜を塩茹でしても塩味が付く以上の意味はないことが分かりましたし、最近ちょっと話題になった「パスタを茹でる時に塩を入れるか否か」という話も浮き上がってきました。科学で料理の事が色々と分かってきましたが、色んな料理と科学の情報をまとめてみると「昔から言われている料理のコツを、科学を使って肯定したり否定したりしてる」という事しか出来ていないといいう事実に気が付きました。このコツは科学的にも正しい、このコツは科学的に意味がない、そんな感じです。

でもですね、そのコツが科学的に正しい・正しくないが証明されたからって、我々は料理が上手になるでしょうか? 料理をする人の間で「ほらねー」みたいな話のネタを提供するくらいの役割しかないように思えます。もちろん科学的な視点からの研究が意味が無いと言ってる訳ではないです。ただ、科学は「料理のコツ」をヒントに料理のことを研究しているというのが現状で、「美味しい味」というのはどうやって作られているのか? という研究はまだ進んでいないのではないかと私は考えています。

「美味しい味」は科学的にはまだ詳しく分かっていない状態なのだとは思いますが、では完全非科学の料理人たちの感覚の中では、恐らく「こうすれば美味しい味になる」というイメージが確立しているはずです。私も科学的な知識はほぼ小学生レベルで止まっている人でしたが、そんな私の中にも美味しい味を作る為のイメージが具体的に存在しています。それは全て、料理をしてきた経験からくるものです。しかし、それらのイメージはなかなか表に出てきません。レシピ本は数多あれど、料理人の頭の中で行われていることをロジカルに解説している文献も少ないのが現状です。

なので、暴論を言ってしまえば、
科学で料理を研究している人は、具体的な美味しい味に関するイメージを持っていなくて、
料理人は料理をするのが仕事なので、表現するのが得意じゃない。
そんな感じなんじゃないかと考えています。

科学の発展の歴史を紐解いてみると「あれ? もしかしてこれってこういうことなんじゃね?」という単なる思い付きレベルのイメージがスタートラインになっている事が多々あります。元となるイメージがなければ、それを証明するという発想も生まれない訳ですし、やはり今の料理には「美味しい味を作る具体的なイメージ」が足りてないんじゃないかと思います。「味の好みは人それぞれだから」とか言ってると何も発展性がないので、私のアプローチはかなり非科学な、経験のみを具体的なイメージにしていく、というやり方ですが、今後も思ったこと、思いついたことをどんどん発信していきたいですね。