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減塩料理ならぬ、無塩料理を考える

先日このツイートを見かけて、減塩料理というものについて真剣に考えてみました。

料理が趣味の人としては、減塩料理って「健康優先で味は二の次」みたいなイメージがあって「そんなに塩のことを敵視しやがって! なんでもかんでも減らせばいいってもんじゃねーぞ!」と言いたくなるような気持ちがあるんじゃないかと思います。私もそんなひとりでした。料理は基本美味しい味を作るのが最優先で、塩の量とか油の量とか一切気にしたことはないです。美味しければそれでいい、健康なんてのは二の次だ、そう思っていました。

ただ、上記ツイート中の『料理研究家には、もっと「塩を控えてもおいしい料理」を研究してもらわなくっちゃ』という一文に私の料理魂が揺さぶられました。減塩料理って結構簡単じゃない? と思ったからです。なので、料理趣味人としての主義主張は一旦取っ払って、改めて減塩料理について考えてみました。

減塩料理の基本は「出汁を濃くする」「風味を強くする」、この二つです。単純に塩分っぽい調味料の量を減らすというやり方だと、料理はさっぱり美味しくなりません。では具体的にどうやるかは、様々なパターンがあるので例を出しつつ解説していきましょう。

出汁を濃くする

出汁に関しては、味噌汁で考えると分かりやすいです。出汁の素でもなんでもいんですが、いつもの倍くらい入れてみてください。そして入れる味噌の量を減らしてみましょう。出汁の味がしっかり効いてると、味噌の量が少なくても美味しく飲めるんです。いや、むしろプロの味に近づくと言ってもいいでしょう。料亭とか高級なお店だと、だいたい家庭でイメージする2~3倍は濃く出汁を取っています。出汁の取り方が、家庭とお店の味噌汁の一番の違いです。

「出汁が濃いと味噌が少なくても済む」と考えれば、煮物なんかも一緒です。出汁を濃くすれば、塩分系調味料の入れる量が少なくて済みます。なので、水分が多い料理、汁物・スープなどであればこのパターンが使えるということになります。更に、炒め物にもこの「出汁を濃くして減塩」のパターンは使えます。炒め物に味付けする時に「顆粒出汁だけで味をしっかり付けて、ちょっとの塩や醤油を使う」なんてやり方になります。

しかし、家庭で出汁を濃くする場合に気をつけないといけないポイントがあります。顆粒の出汁、ほんだしとかあるじゃないですか。あの顆粒の出汁は、何故か結構な塩分を含んでいるんです。顆粒の出汁をたっぷり入れた出汁は、思った以上に塩分が入ってます。これが結構くせ者で、仕上がりの味のバランスを崩すんですよ。一番いいのは、鰹節でちゃんと出汁を取れば純粋な出汁が取れるんですが、そんな面倒な思いしてまで減塩しても疲れちゃうので、それは避けたいところ。なので簡単で手間無く出汁を取る方法としては、無塩の顆粒出汁や出汁パックなどがいいでしょう。

Amazonで調べたら、リケンが無塩無添加の顆粒出汁を出してますね。下記に貼った出汁パックも悪くないですが、使い勝手を考えると、やはり顆粒出汁が断然使いやすいです。

風味を強くする

風味を強くすることでも、減塩しても美味しい味を作ることが出来ます。風味と言うと結構漠然としてますが、一番簡単な方法は「香りが強いもの」を料理にトッピングすることです。香りが強いものと言っても色々あるわけですが、和食材だと大葉・ミョウガ・ネギ・生姜・ゴマあたりのいわゆる薬味をどっさりトッピングしてあげると、鼻に抜けるその鮮烈な香りが美味しい味を作ってくれ、減塩しても美味しい味となります。もちろん薬味は生のまま刻んだり卸したりして使うのがいいですね。

洋風な料理だと、ハーブ類が活躍してくれます。香りが鮮烈でより美味しくなのは生のハーブな訳ですが、入手のしやすさ、価格、などから考えると乾燥ハーブが使いやすいです。乾燥パセリだと、クセもなく彩りくらいしか効果がないですが、乾燥バジルは使いやすくて香りも強く、ドバドバ使って減塩が見込めるハーブです。
香りの強さでいえばスパイス類もかなりいいですね。カレー粉をまぶせばお手軽に強い香りを食材につけることが出来ますし、クミンとかコリアンダーなどを個別で持っている人は、バシバシ料理に使うのがいいでしょう。

そして、出汁を濃くするのと、風味を強くするのを組み合わせれば、更なる減塩効果が期待できます。ここまでがパッと浮かんできた減塩料理ですが、その次に脳内に浮かんできたのは「無塩料理」でした。

無塩料理を考える

塩とか醤油とか味噌とか、塩分の要素がないと基本的に料理は美味しい味になりません。料理をするのにひとつだけ調味料を選ぶとしたらどれを選ぶ? そんな質問をされたら迷わず塩を選びます。それくらい、塩分は人が料理を美味しいと感じるために大事な要素になります。しかし、発想を変えてみれば、無塩でも美味しい料理というものが作れれば、それは本当の意味での「新しい料理」と言えるのではないかと考えた訳です。無塩料理を考えた時、パッと浮かんできたのはほうれん草のおひたしでした。サッと湯がいたほうれん草に、濃い目の出汁を絡ませ、更に刻んだミョウガを加えればそのままでも結構美味しいんじゃないかなというイメージが沸いてきました。多分これは美味しいです。ほうれん草のいい風味とミョウガの鮮烈な香りと共に、出汁が舌にしっかりとした満足感を与えてくれると思います。ただ、このような無塩料理ばかりの食卓を考えると、多分物足りない感じになるでしょうw ならば、メインおかず以外の副菜を、全て無塩料理にすればいいのではないか。いきなり全部の料理を無塩にするのは無理でも、副菜のみを出汁と香りたっぷりの無塩料理にすれば、違和感なく食べれると思います。

しかし、これではより減塩効果は見込めるとしても、完全な無塩ではありません。なので更に無塩でも美味しい食べ物……と考えていったら、あるじゃないですか! 無塩でも美味しいの! そう、お菓子です。お菓子は砂糖が中心の食べ物ですが、砂糖と出汁の卵焼きもありますし、もしかしたらこの方向性は行けるかも。砂糖と出汁という組み合わせ、色々と試す価値はあるかもしれません。

なので、無塩料理の味付けを考える上での要素は下記のようになります。

・要素1:砂糖
・要素2:出汁
・要素3:香り
・オプション要素:酸味・苦味・辛味

要素1~3を掛け合わせて、そこに酸味を足したり苦味を足したりすればあまり食べたことのない味が作れるかもしれません。無塩料理に関しては、ここまでは完全な妄想による文章なので、そのうち実際に試してみたいと思います。

これらの妄想の結果、減塩料理に対するイメージを単なる健康への配慮から、新しい味を作るというイメージに繋げられれば、面白いんじゃないでしょうか。減塩料理へのイメージは、根本的に「我慢」というマイナスイメージがメインなのですから、それをプラスのイメージに変換することができるとすれば、それは新しい料理、と言っても差し支えないでしょう。あと、減塩料理ってレシピ本よりも、無塩料理! ってレシピ本出したらなんとなくインパクトありそうじゃないですかw 今後取り組んでみたいテーマがひとつ増えました。

まぁ、砂糖の可能性が見えたところで、「砂糖が悪だ!」と言われたらしょぼーんな訳ですがw

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